安倍晋三首相が今国会の施政方針演説で、江戸時代に土佐(高知県)で始まったハマグリの養殖が「三百五十年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている」と話したことに対し、同県の漁業関係者から「ハマグリはそんなに捕れない」と困惑する声が上がっている。 演説で首相は、土佐藩家老だった野中兼山(けんざん)が江戸から持ち帰った大量のハマグリを地元民に食べさせず、「子や孫に味わってもらいたい」と海に投げ入れたエピソードを紹介。兼山の行動を「未来を拓(ひら)く行動」とたたえ、「子や孫のため、憲法審査会で(改憲の)議論を深めよう」と訴えた。