8日に示された天皇陛下のご意向は、天皇の終身在位制否定の表明だ。あるいは終身在位制と陛下が追求されてきた「象徴」としての務めとが、ご高齢になるにしたがって「務め」が十分にできなくなってくることから、矛盾を来しているとのご指摘でもある。それは「既に八十を越え、(中略)次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」とのお言葉に表現されている。 退位を排除した現行制度「象徴」の務めを全身全霊で果たすことができない天皇は「天皇」とは言えず、退くべきとのご表明でもある。どれほどの強い責任感で「象徴」の務めを果たして来られたかを示すものであり、尊くありがたい。 現在の皇室制度はご生前での退位・譲位を想定していない。むしろ積極的に排除している。明治時代の皇室典範の起草を主導した伊藤博文らは、皇室の歴史を入念に研究
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