欧州の財政・金融危機の回避に不可欠とされる「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能強化を巡り、ユーロ圏が正念場を迎えている。 強化策の実施には圏内17か国全ての承認が必要だが、最後の1か国として11日に採決を予定するスロバキア議会の見通しがなお不透明なためだ。横並びを尊重するあまり機動的に動けないユーロ圏の苦悩が深まっている。 EFSFは、ユーロ圏で財政危機に陥った国を緊急支援するための仕組みで、市場で債券を発行して支援資金を調達している。域内各国は経済規模に応じて、その債券への政府保証を分担している。 現在、各国の承認が進んでいるEFSFの機能強化策は、融資能力を2500億ユーロから4400億ユーロ(45・3兆円)に拡大するほか、▽市場から域内各国の国債を買い入れる▽金融機関に資本注入する――ことを可能にするものだ。狙いは、財政危機のギリシャ国債などを大量保有する欧州金融機関の連鎖破綻を防