【ニューデリー杉尾直哉】パキスタン陸軍スポークスマンのアッバス少将は1日、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で8月31日、停戦ラインをまたいで両国軍部隊が交戦し、パキスタン兵士3人が死亡したことを明らかにした。カシミール地方ではこれまでにも偶発的な銃撃戦が散発的に起きているが、一度に3人の兵士が死亡したのは過去数年では極めてまれ。 アッバス少将によると、パキスタン側の部隊が移動中にインド側から一方的な銃撃を受け、応戦したという。一方、ロイター通信によると、インド軍側は、パキスタン側の銃撃に応戦したといい、説明に食い違いを見せた。 両国は今年2月に和平協議再開に合意し、7月の外相会談で関係改善を印象付けたばかり。今後の協議への影響が懸念されるが、両国の関係改善は、アフガニスタンの安定を求める米国からも強い圧力をかけられており、双方とも自制した行動に努めるとみられる。