印刷 オーストラリアに押し寄せる難民認定希望者800人をマレーシアに移送し、すでに国連に難民認定された同国在住の4千人を受け入れる両国間の難民交換協定について、豪州最高裁は8月31日、違法だと判断、協定の差し止めを命じた。難民政策で迷走する豪州のギラード政権は窮地に陥っている。 労働党のギラード政権は、アフガニスタンなどからの難民船来航に歯止めをかける「特効薬」として7月末、協定を締結。8月初めに移送第1陣となるはずだったが、難民認定希望者側が「難民条約に未加入のマレーシアでは人権が保障されない」などと最高裁に訴えた。最高裁は、認定希望者の他国への移送は豪移民法の定めた政府の権限を逸脱すると認定した。難民保護が法的に制度化されていない国への移送は認められないとも指摘した。 ギラード首相は1日の記者会見で、最高裁の決定に深い失望を表明。政府は、保守系のハワード元政権時に一時実施されたパ