【ソウル=黒田勝弘】韓国で北朝鮮からの脱北女性が韓国軍将校などと肉体関係を持ち、軍情報を入手して北朝鮮に送っていたスパイ事件が明るみに出て話題になっている。近年、急増している脱北者について「偽装スパイがいる」との話が一部でささやかれていたが、スパイ事件として正式摘発は初めてだ。 軍、検・警察などの合同捜査本部は27日、北朝鮮スパイとして脱北者を装い中国経由で韓国に渡り、韓国の軍情報や脱北者情報などを北朝鮮に送るなどスパイ活動をしていた北朝鮮出身の女性ウォン・ジョンファ(34)を国家保安法違反で逮捕、起訴したと発表した。彼女に軍情報を提供していた韓国軍将校(26)と彼女と接触のあった韓国在住の北朝鮮工作員(63)も逮捕されているという。 発表によると彼女は北朝鮮でのスパイ訓練を受けて中国に派遣され、対韓工作員活動にかかわった後、2001年10月脱北者として韓国に渡った。韓国当局による定着教育