2010年に覚醒剤取締法違反事件で検挙された40歳代以上の初犯者が、全国で1250人にのぼり、同年までの5年間で約2割増えていることが警察庁の調べでわかった。 年齢別初犯者の統計が始まった1991年以降で過去最多。専門家は「社会的な不安の増大から覚醒剤に手を染めるケースが増えている」と指摘する。各都道府県警は、民間企業などで薬物乱用防止講習会を開くなどして、中高年層の対策に力を入れている。 「仕事がなくなり悩んでいた。気を紛らわしたくて使った」。同法違反(使用)に問われた北九州市内の無職男(45)は9月、福岡地裁小倉支部で開かれた公判で、覚醒剤に手を染めた経緯を語った。塗装工だった男はリストラをきっかけに使い始め、2年間で約170万円をつぎ込み、500回以上使っていた。 警察庁によると昨年、覚醒剤に絡んだ事件で逮捕、書類送検された容疑者は、全国で1万1993人。40歳代は3290人で、初犯