【モスクワ=遠藤良介】中央アジア・キルギスの反政府騒乱で、野党指導部は7日夜、同国の権力を掌握し、オトンバエワ元外相を首班とする臨時政府の形成に着手したことを明らかにした。現地からの報道によると、バキエフ大統領は首都ビシケクから南部のオシに逃れており、政権は事実上、崩壊した。 キルギスでは同日、反政権派のデモがビシケクなど国内各地で広がり、暴徒化した。野党側は首都で政府施設や国営テレビ局を掌握、国内数都市でも行政庁舎を占拠している。一連の反政府行動による死者は保健省の発表で47人、反政権派によると100人以上にのぼっている。 キルギスでは2005年3月、野党の街頭行動でアカエフ前政権が倒れる「チューリップ革命」が起き、バキエフ氏が大統領に就任した。現政権の腐敗体質や経済不振を背景に、5年前と同様のシナリオが繰り返されている。