奈良県田原本町の医師(48)宅放火殺人の供述調書などが漏洩(ろうえい)した事件で、奈良地検は2日、秘密漏示罪で、中等少年院送致となった長男(17)の精神鑑定を担当した精神科医、崎浜盛三容疑者(49)=京都市左京区下鴨西本町=を起訴した。一方、調書などを引用した著書を講談社から出版したジャーナリスト、草薙厚子さん(43)については、鑑定資料を閲覧したことを認定する一方、共犯には問えず嫌疑不十分で不起訴処分とした。 調書の漏洩をめぐり捜査当局がジャーナリストの取材源の逮捕にまで踏み切った異例の事件は、罪が法廷で問われる事態へと至った。地検は、草薙さんを崎浜被告に紹介した京大教授や、草薙さんの閲覧時に同席した講談社社員についても立件を見送った。崎浜被告は同日、奈良地裁に保釈請求し、認められた。 起訴状によると、崎浜被告は、放火殺人事件をめぐる長男の精神鑑定書を奈良家裁に提出する前後の昨年10月5