二〇〇六年、県北で起きた強姦事件で、被害女性が告訴を取り消そうとしていたにもかかわらず宇都宮地検の検察官が起訴、宇都宮地裁は先月、判決公判の中で「告訴人の意思を踏みにじり親告罪の起訴として不相当。強く反省を求める」と異例の勧告をしていたことが、二十四日までに分かった。被害者の真意をくみ取ることよりも、凶悪事件の処理に固執した検察側の判断を「勇み足」と指摘、事件捜査の在り方に一石を投じた。 実刑判決を受けたのは那須塩原市、運転手の男性被告(33)。判決によると〇六年八月、県北の女性宅に侵入、女性を乱暴した。昨年七月八日、強姦容疑などで逮捕された。 ▽警官通じ説得 発生直後、女性の処罰感情は強かったが、弁護士らに勧められ示談と告訴取り消しを決めた。被告の弁護人から示談の予定を聞いた検察官は同二十四日、管轄署の男性警部補に「起訴するのに示談はまずい。きょうは示談しないよう連絡してほしい」と