最高裁の無罪判決後の会見で笑顔を見せる、名倉正博さん(右)と秋山賢三主任弁護人=東京・霞が関の司法記者クラブで2009年4月14日午後3時53分、尾籠章裕撮影 東京都世田谷区を走行中の満員電車で06年、女子高校生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた防衛医科大教授、名倉(なぐら)正博被告(63)=休職中=の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は14日、懲役1年10月の実刑とした1、2審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。小法廷は「被害女性の証言の信用性を疑う余地がある。犯罪の証明が不十分」と述べた。名倉さんの無罪が確定する。 最高裁が痴漢事件で2審の有罪判決を覆したのは初めて。小法廷は満員電車の痴漢について「特に慎重な判断が求められる」と初判断を示し、理由として「客観証拠が得られにくく被害者の証言が唯一の証拠である場合も多い。被害者の思い込みなどで犯人とされた場合、有効な防