27日付の英日曜紙サンデー・テレグラフは、潜入取材の結果として、アフリカから英国へ子どもを売り渡す新たな奴隷貿易が行われていると報じた。記者はナイジェリアで、3歳と5歳の男の子2人で計5000ポンド(約105万円)の「価格」を両親らから提示されたという。 同紙によると、密売は犯罪組織などが仲介。ナイジェリアの密売人は、最多で年間500人を売り買いしていると明かした。親には子どもが英国で「より良い生活」ができると約束するが、実際には、子どもは公的給付の不正受給の手段として用いられるほか、家政婦などとして最長で1日18時間の労働に使われる。虐待を受けることもある。 同紙記者は10カ月の赤ちゃんについては2000ポンドの提示を受けた。1000ポンド以下で子どもを売ろうとした10代の母親もいた。 子どもは偽造旅券を取得した後、難民申請者として英国入りしたり、“養父母”に連れられてくるケースもある。