住民訴訟で司法が「違法」と判断した公金支出をめぐり、首長が負った賠償責任を地方議会が「帳消し」にする例が相次いでいる。08年度だけでも、神戸市や大阪府茨木市などの市議会が、市長に対する市の賠償請求権を放棄する議案を可決した。同府大東市では、違法な支出分を市長に請求するよう市に命じた一審判決に対して、市議会が請求権放棄を議決。大阪高裁は26日の控訴審判決でこの議決を「有効」と判断し、住民側が逆転敗訴した。こうした議会の姿勢に「住民訴訟の意義を失わせる行為だ」という批判が高まっている。 大東市をめぐる住民訴訟は07年に市議の光城敏雄さん(51)が提訴した。非常勤職員への退職慰労金について「市が条例で定めていないのは地方自治法違反」と主張。昨年8月の一審・大阪地裁判決は、職員2人への07年4月と8月の支給分を岡本日出士市長ら幹部4人に請求するよう、市に命じていた。 市側は控訴。一方で、昨年1