マニラ首都圏パサイ市の海外労働者福祉庁前で5日、解雇された海外労働者への政府支援が不十分だと抗議する労働団体のメンバーら=稲垣収一撮影 【マニラ=稲垣収一、シンガポール=実森出】労働力人口の2割が海外で就労する「出稼ぎ大国」のフィリピンが、金融危機に伴う世界的な景気後退の余波に揺れている。 就労先の海外企業から解雇された労働者が相次いで帰国し始めたためで、海外からの送金に国家経済を依存する政府は、対策に頭を抱えている。 ◆「仕送り依存経済」ピンチ◆ 「政府は、海外労働者を見捨てるのか」。解雇された海外労働者約100人が帰国した今月5日、マニラ首都圏パサイ市の海外労働者福祉庁前で、労働団体メンバーら約30人がプラカードを掲げて気勢を上げた。 台湾の半導体メーカーで働いていたベルナデット・コルタスさん(24)は11月末、雇用契約期間を1年以上残して、100人余りのフィリピン人とともに突然、解雇