【日本の議論】米作り、赤字分をチャラにする「戸別所得補償制度」は本当に農家を救うのか… (1/5ページ) 2009.10.12 18:00 実りの秋を迎え全国の農村が稲刈りで活気づく中、政権交代により米をめぐる農政が大きく変わろうとしている。鳩山内閣は日本の農業の生き残り策として、生産コストの赤字分を国が補填(ほてん)する「戸別所得補償制度」の創設を掲げた。全国の耕作放棄地が埼玉県の面積に匹敵するほど厳しい農業の現状に対し、新政策はどう応えるのか。なぜ農家の多くは米作りを続けられないのか。東北の米どころを訪ねた。マニフェスト「初めて見た」 「栗駒米」で知られる宮城県栗原市の栗駒地区。米作農家の菅原清一さん(47)は山すそに広がる田んぼで青いコンバインに乗り、黄金色に実った稲穂を刈り取っていた。 「天候不順だったが、出来はまあまあかな」。菅原さんは平日は勤めに出て、週末は72歳の父と水田を