「一口オーナー」制度を発案した小泉善雅さん。種ガキをロープに挟み込む作業をする=宮城県塩釜市 宮城県塩釜市の松島湾に浮かぶ桂島は、津波で大半の住宅や漁具が流された。島を支えたノリやカキの養殖は再開できるのか。漁師たちは、震災直前に島に移り住んだ青年の発案に沿って、復興への道を歩み始めた。 桂島は人口約300人。65歳以上が過半数を占める。震災では高さ10メートル超の津波で住宅120戸のうち71戸が損壊し、ノリの加工場やカキのイカダ、ロープなど作業道具の大半が流失した。住民は養殖を再開するかどうか悩んでいた。 「一口オーナー制度をやってみませんか」。提案したのは小泉善雅さん(36)。インターネットやツイッターで1口1万円の支援金を募って漁業の資材購入に充て、収穫できるようになれば現物で出資者に還元する、と説明した。 小泉さんは震災直前の3月6日に島の漁協への加入が認められたばかりだっ