世界的な穀物価格の暴騰で、農家の言い分に軍配が上がりそうなのだ。5月13日、連邦環境大臣だったマリナ・シルバ氏が辞任した。熱帯雨林の保護政策が影響力を失い、「ここしばらくは思ったように政策を推進できなかった」と、彼女は辞任を伝える手紙の中で書いている。 近年、ブラジルは世界の食料庫となった。大豆や砂糖、オレンジジュース、コーヒー、牛肉、鶏肉では世界最大輸出国であり、トウモロコシと米の生産も伸びている。昨年の農作物輸出額は580億ドルで、大豆が110億ドルを占める。しかし、そうした食糧増産の多くは、かつて熱帯雨林かサバンナだった地域からの収穫であり、多くの農家が増産のために、さらなる農地供給が必要だと考えている。 農地を増やして何が悪い アマゾン出身のシルバ前大臣は、アマゾン保護で高く評価されてきた。森林を伐採した農家や牧場経営者に厳しい罰金を科すなど、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統