いずれもサバクトビバッタ。群れをつくって食害を起こすもの(左)は黒っぽく、単独行動を好むもの(右)は緑色。これらは1921年までは別の種だと考えられていた=トム・フェイル氏提供 【ワシントン=勝田敏彦】ふだんは無害なバッタの仲間が大群となって食害を起こすとき、神経系でセロトニンと呼ばれる物質の濃度が3倍に上昇していることがわかった。セロトニンは人間の脳にもあり、精神活動に影響する物質。ケンブリッジ大など英豪チームによる論文が、米科学誌サイエンスに掲載された。 バッタの仲間サバクトビバッタは本来、単独行動を好む。しかし、エサが少なくなると残ったエサを求めて集まり、大群となって農作物などを食い荒らしつつ移動し始める。途上国で食糧問題の原因の一つになっている。 体色も緑から黒っぽく変わる「変身」は、お互いの体が接触するほど近くなると起きる。研究チームはバッタの後ろ脚の近くを刺激し、変身が2