■直径1万分の1ミリ以下の“魔法” 海水魚のタイと淡水魚のコイが同じ水槽で泳ぐ。2005年の愛・地球博(愛知万博)で展示された水槽の「魔法のような現実」は、多くの来場者を驚かせた。直径が1万分の1ミリに満たないほどの超微小気泡(ナノバブル)が持つ不思議な性質の一端だ。医療、環境など幅広い分野で、超微小気泡の実用化、応用研究が本格化している。人類の未来を拓く可能性を秘めたナノバブルの世界を、開発者に案内してもらった。(中本哲也) ◇ 〇…遊び心 宮城県東松島市のREO(レオ)研究所。研究開発室長の千葉金夫さんは「ここで、いろんなことをして遊んでいるんですよ」と笑った。愛知万博の水槽も今はここにある。 塩分濃度は1%。海水魚には塩分が低すぎ、淡水魚には高すぎる。普通はどちらもすぐに弱ってしまうはずだが、酸素のナノバブルを含ませると半年以上も元気に生き続ける。