夫や妻に先立たれても再婚しないことを美徳とするインドで、こうしたタブーを打ち破って再婚や同居に踏み切る中高年世代が一部で増えているという。さまざまな社会変化の影響から、伝統的身分制度のカーストや家族の名誉、世間体よりも個人の幸せを優先する傾向が強くなってきたことの表れといえそうだ。 「この10年で、70~80歳の35人の再婚をお世話しました」 こう胸を張るのは、西部グジャラート州のアーメダバードに住むナトゥバイ・パテル氏(62)。「結婚案内所」の創設者で、50歳以上の再婚や同居生活のための出会いの場を無料で提供している。その活動はアーメダバードにとどまらず、首都ニューデリーや商都ムンバイ、東部コルカタなどの主要都市からの問い合わせも増えているという。 60代のインド人ジャーナリストによると、同国では50代後半を過ぎた人の再婚や同居は、「道徳に反する」と見なされ、軽蔑されてきたという。 だが