国って何?政府って何?本当にお金がないと人は生きていけないの?疑問を抱いた男はついに、熊本で「新政府」を樹立した。目から鱗の国家論を聞いてみよう 文/丸本忠之 合法的に家を持っている路上生活者 民主党政権が終焉を迎える。一方で、日本政府に見切りをつけ、熊本にひとりで新しく「国家」を建国し、その領土を拡大している男がいる。「条件は満たしているから国連に申請すれば加盟もできる可能性もある」と語る男の名は、坂口恭平。34歳、肩書は一応、建築家だ。 建国のきっかけは原発事故だった。危険があるのに正確な情報を伝えず、国民を守らない政府を見て、これは政府ではないと思った。だから自分で国と政府をつくった。「生存権の死守」に特化した国を。 彼の国は、我々のイメージする国家とは少し違うかもしれない。だが、条約上はれっきとした国家だし、現実に人を救っている。現政権では生きていけないかもしれない人々に、避難場所