■はじめに GPS(衛星利用測位システム)を悪用して、元恋人や元妻などにつきまとうストーカー犯罪が深刻化しています。被害者が身を隠しても、GPS装置を使えば相手の位置情報を簡単に入手できるという危険があり、実際に、2014年には群馬で元交際相手が知人に依頼して被害女性の車にGPS装置を取り付けて居場所を特定し、その後女性を射殺したという事件も起こっています(犯人はその後自殺)。 GPSストーカーについては、2007年頃から問題が表面化し、ストーカー禁止法違反で処罰される事案も報告されていますが、GPSによる位置情報の不正取得がストーカー禁止法にいう「見張り」に該当するかについては実務は必ずしも一枚岩ではありません。GPSでストーカーから追跡され続けることに対する決定的な対策もないまま不安な状態が続いています。 このような中で、先日、夫の激しいDVから逃げていた妻の車に、知らない間にGPS装