希望する全社員が65歳まで働けるよう企業に義務付けた改正高年齢者雇用安定法が今年4月に施行されるのを受け、定年を65歳に延長したり、65歳までの再雇用制度を導入したりする企業が相次いでいる。ただ、雇用は確保されても、条件や立場が変わるケースが多く、従業員の意識改革が課題として浮かび上がっている。 厚生労働省の調査によると、平成23年6月~24年5月末までの1年間に定年を迎えた43万36人のうち、「継続雇用」されたのは31万6714人(73・6%)。厚労省は「将来的には多くの企業で70歳まで働ける制度を普及させたい」と意気込む。 だが、すでに制度を改正した企業のほとんどで、60歳以上の従業員の待遇は悪化する。嘱託社員として再契約をしたり、短時間労働で給与を抑えたりする企業も多い。 企業向けの人材育成セミナーを実施している日本能率協会マネジメントセンター(東京都港区)によると、現在は多くの企業