竹内研究室の日記 2019 | 01 |
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昨日のニュースの深読みをご覧くださった方、ありがとうございました。「敗軍の将、兵を語る」的に振り返ってみます。番組はポスドクの話に終始してしまったので、結局、なぜ自分が出ているかも良くわからない感じになってしまいました。 この件は一週間前くらいに伺って、その時の話題は中村修二さんが仰るような、日本企業の技術者の処遇についてでした。企業の技術者がNHKに出るわけにもいかないから、私が出ざるを得ないかと。 それが(おそらく)企画を練る中でポスドク悲惨話に焦点が移ったようです。 出演の前日に話題の変更を知って、中村修二さんの件とポスドクはぜんぜん違うじゃないか、と驚きました。まあ、時事問題を取り上げる放送なので、直前まで方針はころころ変わり、その一方、出演者は事前に確保しなければいけないから、こういうことも起こるのでしょう。 もしポスドクの話題になると最初からわかっていたら、出演は引き受けなかっ
青色レーザーダイオードを実現した赤崎先生、天野先生、中村修二さんがノーベル賞を受賞されました。本当におめでとうございます。 特に中村修二さんは企業(日亜化学)での仕事で受賞したわけですから、私は中村さんよりも下の世代ですが、企業で技術者だった私は大変勇気づけられました。 大変失礼な言い方をすると、赤崎先生は偉すぎて雲の上の存在ですが、中村修二さんならひょっとしたら自分もなれるかもと、企業などで実用研究をしている技術者にも思われるところがあるのが、今回のノーベル賞は良いですね。 また実は私は学部、修士の時に青色レーザーに関連する研究をしていたので、昔(学生時代)を思い出して感慨もひとしおです。 当時は青色レーザーを目指して、今回受賞したGaNとZnSeが激しく競争。いずれの陣営も日本の企業・大学が中心で、「日本を制したものが世界を制する」という、日本の黄金期でした。 私は「負け組」であるZn
東芝をやめて大学に移ってから7年が経ちました。大学に移った当初は全く研究資金が無くて金策に走る毎日。そうしているうちに助けて下さる方いて、何とか研究室を立ち上げることができました。 当時はまだ日本の半導体はそれなり頑張っていたので、半導体産業への期待という意味で国家プロジェクトが立ち上がり、その恩恵も受けました。 おかげさまで研究室が立ち上がり、研究スタッフも集まり、多くの方のご支援のおかげで、自分では思ってみないほどの成果をあげられました。 まさか毎年ISSCCで発表できるなんて、思ってもみませんでした。 研究はとても好調ですが、実は今、予想外の逆風にさらされています。 自分の研究は順調だし、古巣の東芝のフラッシュメモリ事業も絶好調、ビッグデータを蓄えるストレージ産業も絶好調。自分の周辺だけは何の問題もありません。むしろ、状況は良くなる一方。 ところが、気付くと、周囲の他の日本の半導体や
日本ではITやエレクトロニクスはダメダメですが、一歩、国外に出れば成長産業。 私が研究しているSSDや半導体メモリを使ったストレージは、ITのクラウド化で猛烈に成長している。 例えば、Flash Memory Summitという8月にシリコンバレーで行われたマーケティングの会合では、400件以上の発表が行われ、4000人もの参加者が。 でも、日本の半導体やITはリストラなどの後ろ向きばかり。GoogleやAmazonのように、世界はドンドン進んでいくのに、日本はどうするんでしょうね。 私は日本の大学に居るし、国(税金)からも予算を頂いて研究している部分もあるので、何としても、日本の企業に貢献したい、復活のお手伝いをしたいと思っています。 ですが、共同研究などのお話をしていると、愕然とすることばかり。 研究するには、それなりにお金が必要ですが、「金は出さないけど、権利は全てよこせ」というケー
IEEE IMW(International Memory Workshop)という、半導体の不揮発性メモリの学会に参加するため、アメリカのモントレーに来ています。 竹内研からは4件の発表をします。 モントレーはシリコンバレーから車で2時間ほどと近いため、シリコンバレーの多くの企業の人が参加し、技術的議論に加えて、業界内の情報交換なども活発に行われる。 自分にとってもう一つの楽しみは、東芝でフラッシュメモリを一緒に立ち上げた、先輩や仲間に会えること。 現役で東芝に残っている人はわずかで、ほとんどの人が、辞めました。 私は大学でも東芝と協力して研究をしているのですが、いまでも、東芝と関係があるのは、私くらいでしょうね。 大半の人は、競合関係の外国企業に移りました。 東芝をやめて5年も経つのに、アメリカ人から、「なんでお前は東芝を辞めたのか?」と、頻繁に聞かれます。 毎年説明しているので、もう
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