スペイン・アカデミー賞受賞『悪人に平穏なし』エンリケ・ウルビス監督インタビュー:「この映画で描いているのは、一人ひとりのちょっとした間違いが悲劇に繋がってしまうということ」 2012年のゴヤ賞(スペイン版アカデミー賞)で作品・監督など6部門に輝いた『悪人に平穏なし』が2月9日(土)から公開される。主人公のサントスは、元特殊部隊にいた精鋭ながら、現在は第一線を外れ、行方不明者捜査課にいる捜査官。泥酔して立ち寄ったバーで、コロンビア人のオーナーら怪しげな3人の男女を撃ち殺してしまう。1人を取り逃がしたサントスはその男の行方を追うが、背後にある犯罪組織の企みに行き当たって……というハードボイルドなサスペンス。そこには善と悪の曖昧さ、社会の落とし穴や矛盾といった普遍的な事柄の暗喩がある。エンリケ・ウルビス監督に、作品に込めた思いを伺った。 ―本作は2004年3月11日に起きたマドリッドの爆弾テロ事