米澤 ユーゴの紛争があった当時、私はまだ学生だったんですが、どれだけテレビを見ても、新聞を読んでも、なんであの国が戦争をしているのかよく分からなかったんです。どうもピンとこない。チェコスロヴァキアはソビエトの圧迫がなくなった時に、「ビロード離婚」を経て遺恨なくチェコとスロヴァキアになっている。なのにユーゴスラヴィアは国を元通りに分けましょうというのに、なぜあそこまで延々と戦うのか疑問で、それを分かりたくて大学で研究のテーマに選びました。その時に研究したテーマで小説を書いた、という流れになります。 ――もともとは〈古典部〉シリーズ内で書く予定だったとも聞いています。独立した作品となったのはどうしてですか。 米澤 『愚者のエンドロール』を出した後、レーベルが休止になるということで〈古典部〉シリーズを続けられなくなり、完成原稿が宙に浮いてしまったんです。ちょうどその頃、東京創元社さんからお話をい
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