「夏の終わりに願うこと」昨年、大好きだった友だちを癌で亡くして、今は今で、その病気と苦しみながら向き合っている知人が身近に幾人かいる。自分ももうすぐ還暦となればこうしたことがあるのは当たり前だし、またいつ自分がその仲間になっても不思議はない。しかし、仕方のないことと分かってはいても、病気というやつに残された時間を脅かされるのは、なんとも悔しく、辛く、寂しいものである。 「夏の終わりに願うこと」は、見るからに余命いくばくもない、しかしまだ若いお父さんの、おそらく最後の誕生日パーティーの一日だけを描いた映画である。まるでホームムービーのようにカメラが4:3のフレームいっぱいに人々に接近するので、始まってしばらくの間、ドキュメンタリーなのかと思った。 しかし、それにしては出てくる人が誰もカメラを見ない。ちょっと待て、この幼い娘も、この妻も、このお姉さんたちも、このお爺さんも、このヘルパーさんや友
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