ドキュメント戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争 高木徹 / 講談社 / 2002/06/30 ★★★ 内容は興味深い 著者はNHKのディレクター。NHKスペシャル『民族浄化』(未見)で話題を呼んだ内容を本にしたということらしい。ボスニア紛争において、アメリカのPR会社が果たした役割がどんなものだったかを描いている。 バリー・レヴィンソンの『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』は、ダスティン・ホフマン演じるハリウッドの映画プロデューサーが、大統領を窮地から救うために情報操作を行うという話だった。こういうタイプの陰謀史観は古くからある形式であると言える。また、他国がアメリカにおける地位を改善しようとして行う活動は、「ロビイング」と呼ばれるごく当たり前の活動である。本書で取り上げられているケースの特異性は、アメリカとはほとんど関係のない異国の地での内戦(という言葉は不適切かもしれないが)を有利に