⚫︎『新宿野戦病院』、10話。このドラマで今まで人の死が描かれたのは二回だったと思う。一つ目は5話で、ホームレスの老人が政治家にエクモを横取りされて亡くなるという話。もう一つは、7話で、独居老人がアパートで心肺停止状態で発見される話。もう一つ、小池栄子のアメリカ時代のルームメイトのパートナーが戦死したというエピソードもあるが、これは過去の話として「語られる」のみだった。 二つの例では、亡くなるのはどちらも老人であり、なんとか命を取り止めようとする過程が描かれる。しかし今回は、初めて若者が、しかも、直前まで「うぇ~ぃ」とかいっていた元気そうな若者が、次のカットでいきなり斎場の骨壷に変わってしまう。この唐突な感じに、コロナ初期の恐怖を思い出した。 コロナ初期には、コロナの症状は、重症化するととても強い苦痛に見舞われるという話がある一方、たいして重くない症状の人が、唐突に、すうーっと眠るように亡