ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (233)

  • デジタル版「毛沢東語録」は文革時代の紙版よりも恐ろしい

    Digitalizing Mao’s Little Red Book / ©2019 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <習近平国家主席の指示や談話が大量に収録されたアプリ「学習強国」は、クイズに解答したポイントで忠誠度まで評価される> 世界でよく売れているといえば、1番目は『聖書』、2番目は「紅宝書」。紅宝書とは『毛沢東語録』のことだ。 ポケットサイズで赤いビニールカバー、持ち運びしやすく汗にも強い。文化大革命時代は紅宝書を学ぶことが国民としての義務で、誰もが1冊持っていた。毎日朗読し、暗記し、どんな場面でも語録の言葉を引用しなければならない。仕事の報告書を書くときはもちろん、ラブレターを書くときも。 1976年に毛沢東が死去し、10年間の文化大革命が終わると中国人は紅宝書から解放された。その後の40年間、経済発展に没頭し、紅宝書の

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    okemos 2019/11/10
  • 学力よりも性別で年収が決まる、日本は世界でも特殊な国

    <日の学力の高い女性は学力の低い男性よりも稼ぎが少ない――このような社会は先進国ではごく少数> 近代以前では、社会的地位や富の配分は「生まれ」で決まっていたが、近代以降の社会では当人の能力(merit)を重視する「メリトクラシー」の原理が台頭してくる。公平への要求が高まるとともに、外圧に晒される中、そうでないと社会が立ちいかなくなったからだ。 メリトクラシーがどれほど実現しているかは、たとえば当人の教育歴(学歴)と収入の相関から見て取れる。だが学歴で給与を機械的に決める会社は多いし、能力があっても経済的理由で大学に行けない人もいるので、学歴イコール能力とは必ずしもいえない。学歴よりも、テストで計測される学力のほうがいいだろう。ホワイトカラー労働が多い現在、認知面の学力と職務遂行能力は強く相関するようになっている。 国際成人学力調査「PIAAC 2012」の数学の習熟度をもとに、16~65

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    okemos 2019/11/07
  • 意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の境界線を超えた 科学者が警告

    <ヒトの多能性幹細胞から作製する豆粒大の人工脳「脳オルガノイド」は、現代の神経科学で最も注目されている分野のひとつだ......> 幹細胞を使ってヒトの器官の小さな三次元モデルを生成する技術は、この10年ほどで大幅に進歩した。とりわけ、ヒトの多能性幹細胞から作製する豆粒大の人工脳「脳オルガノイド」は、現代の神経科学で最も注目されている分野のひとつだ。 医学を一変させる可能性、しかし倫理上の懸念も 米ハーバード大学の研究チームが2017年に発表した研究論文では、「脳オルガノイドが大脳皮質ニューロンや網膜細胞などの様々な組織を発達させる」ことが示され、2018年4月にはソーク研究所の研究チームがヒトの脳オルガノイドをマウスの脳に移植したところ、機能的なシナプス結合が認められた。 また、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは2019年8月、「脳オルカノイドからヒトの未熟児と類似した脳波を

    意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の境界線を超えた 科学者が警告
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    okemos 2019/10/26
  • 「邪悪」フォーエバー21破産でも、ファストファッション自体は健在

    破産法適用を申請したフォーエバー21は日など世界各国からの撤退も決めた(ニューヨーク) DREW ANGERER/GETTY IMAGES <ファストファッション帝国の崩壊の始まり――ではない。使い捨て文化は今、見えない形に「進化」している> フォーエバー21は邪悪なファストファッションの典型だった。デザインを考案するより盗用して、訴えられたら和解に持ち込む。搾取労働の疑いで当局に調査されたこともあり、ライバルのH&Mやザラと違って、持続可能性や労働基準に目配りすることはほとんどなかった。 そのフォーエバー21が9月29日、米連邦破産法11条の適用を申請した。アジアや欧州では大部分の店舗を閉鎖するという。過剰な国外進出が経営破綻につながった可能性はあるが、今回の一件はファストファッションという一大帝国の崩壊が始まった兆候だという声も上がる。 確かに、小売業界の衰退を示す出来事ではあるだろ

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    okemos 2019/10/08
  • 『ジョーカー』怒りを正当化する時代に怒りを描く危うい映画

    ジョーカーを演じた主演のフェニックスは大幅に体重を落として役に臨んだ ©2019 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED TM & ©DC COMICS <バットマンの敵役ジョーカーの原点を描き、その疎外感に共感を寄せる『ジョーカー』。トランプ時代の空気を映し出している作品だが> 『ジョーカー』の舞台は1981年の腐臭漂うニューヨーク(※)ゴッサム・シティ。映画の冒頭近くで、主人公アーサー・フレックは道化師姿で看板持ちの仕事をしていたとき、中南米系とおぼしきギャングたちに嘲笑され、暴行を受ける。 ※映画の舞台を誤って「ニューヨーク」と記載していました。お詫びして訂正します。(2019年10月7日11時20分) 白人が不当に迫害されているという描かれ方は、近頃では珍しくない。これは、ドナルド・トランプ米大統領が巧みに利用してきたストーリーでもある。 『ジョ

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    okemos 2019/10/06
  • テスラ自動運転車の「呼び寄せ機能」で事故、ツイッターで相次ぎ報告

    テスラが9月26日に新ソフトをリリースしてから、多くのユーザーが「呼び寄せ機能」を試して結果をツイッターに報告した(写真はテスラS) Ints Kalnins-REUTERS <自動運転で車を自分のところに呼び寄せることができる「スマート・サモン機能」は、周りに車がいたら使わないほうが無難?> 米電気自動車(EV)大手テスラが最近、テスラ車に実装し始めた話題の「呼び寄せ機能」が、うまく機能していないようだと、新機能が原因と思われる事故に遭ったユーザーたちが報告している。 テスラは9月26日に車載ソフトの新バージョン(10.0)の配信を開始。アップデート内容には、ネットフリックスやスポティファイ・プレミアムといったエンタメ機能の強化、評判のいいレストランや近くの観光名所を見つけるのに役立つナビゲーション機能なども含まれている。また5000ドルの完全自動運転オプションを購入済みのオーナーなら、

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    okemos 2019/10/03
  • 戦後日本にCIAスパイを送り込んだ、日本人女性キヨ・ヤマダの数奇な運命

    <諜報活動という裏社会に身を投じて居場所を見出したキヨの葛藤は、現代女性にも通じるものがある> 筆者の知人が、アメリカ留学中だった10年ほど前に在米の日人主婦らが集まった小さなホームパーティーに参加し、そこで「興味深い女性」の話を聞いたという。 その人物の名前は「キヨ・ヤマダ」。戦後間もなく渡米してアメリカ人と結婚した彼女は、その後に世界最強の諜報機関であるCIA(米中央情報局)に入局。スパイに日語や日文化を教えていたが、少し前に他界してワシントンのアーリントン国立墓地に眠っているらしい――そんな話だった。 この話を聞いた筆者は、キヨのことがずっと気になっていた。そしてワシントンへの出張の折、アーリントン国立墓地に立ち寄ってみたところ、肩書きに「」とだけ書かれたキヨの墓を発見する。そこには彼女が国家のために働いたという形跡は一つもなかった。その後、いろいろな文書などにも当たって調べ

    戦後日本にCIAスパイを送り込んだ、日本人女性キヨ・ヤマダの数奇な運命
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    okemos 2019/09/29
  • 「イスラム法も現代にアップデートを」婚外性交論じた論文、批判殺到で修正へ

    <若き研究者の意欲的な論文は、伝統的宗教観と現代社会の橋渡しをするものとして当初は高い評価を受けたが......> 世界最多のイスラム教徒を擁するインドネシア。そのイスラム教徒の間で、聖典「コーラン」の記述とイスラム教における婚外性交の解釈を巡って論争が起き、保守的イスラム教団体からの抗議で学生が執筆した博士論文の内容が修正に追い込まれる事態が起きた。 学生は抗議を受け入れて修正に応じ、大学当局も最初は高い評価を与えていた論文の内容に対する修正を認め、なおかつ「修正要求は学問の自由を侵すものではない」と弁明するに至った。 イスラム教の教義を現代の社会や状況に合わせて合理的に解釈しようとした若きイスラム教学徒の意欲的、挑戦的試みは旧態然たる保守的イスラム教団体の抗議の前にあえなく潰えたようにもみえる今回の論争を振り返る。 婚外性交は人権と伝統的教義に挑戦 中部ジャワ州のジョグジャカルタにある

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    okemos 2019/09/19
  • 民主党予備選で着実に支持を上げるエリザベス・ウォーレン

    現状の世論調査でウォーレンはバイデン、サンダースに続いて3番手につけているが…… Gretchen Erti-REUTERS <トップを走るバイデンやサンダースにくらべて、ウォーレンへの支持は着実に強固になっている> 前回コラムで書いたとおり、9月7日土曜日、大統領選のバトルグラウンド(決戦州)として知られるニューハンプシャー州マンチェスター市で州の民主党大会が行われ、19人の大統領候補がスピーチした。 スピーチの順番などに関しては不備があったものの、候補者全員に、支持者が路上や会場前でにぎやかにPRをし、会場内のブースで政策を説明する平等な機会は与えられていた。 この大会時点での全米の世論調査の平均支持率は、トップからジョー・バイデン(29%)、エリザベス・ウォーレン(17%)、バーニー・サンダース(15%)、カマラ・ハリス(7%)、ピート・ブーティジェッジ(5%)、アンドリュー・ヤング

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    okemos 2019/09/18
  • アメリカ人労働者を搾取する中国人経営者

    China’s Gung-Ho Spirit ? / (c)2019 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <労働組合をつくろうとするアメリカ人従業員の動きを阻止――「アメリカよりももっと資主義」な中国人> 問:資主義社会で資家はどうやって労働者を搾取する? 答:主に2つの手段で搾取する。1つは労働者を長時間働かせる。もう1つは生産方法の改善で労働時間を短縮し、その結果生じた余った時間にさらに働かせて搾取する。資家は労働者に「もっと働きもっと利潤をよこせ」と要求する。 「社会主義国」に生まれた中国人は、中学校に入ると誰でもこのマルクス経済学理論の授業を受け、資主義の罪悪と社会主義の優位性を勉強する。無一文から億万長者になった曹徳旺(ツァオ・トーワン)率いる「福耀集団」は16年、オハイオ州にある閉鎖されたゼネラル・モーターズ(GM)

    アメリカ人労働者を搾取する中国人経営者
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    okemos 2019/09/14
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(6完)─正統派との共存可能性

    ●これまでの記事はこちら <モズラーによって発見されたMMTの中核命題や、それに基づく会計分析それ自体は、必ずしも正統派と共存不可能ではない......> 経済学派としてのMMTの一つの大きな特徴は、自らを正統派と対峙する異端派として位置付け、現代の主流派マクロ経済学を全体として拒絶している点にある。その主流派ないし正統派としてMMTの主な批判となっているのは、新しい古典派マクロ経済学というよりは、ニュー・ケインジアンによるNMC(新しい貨幣的合意)である。これは、現代のマクロ経済政策とりわけ金融政策に理論的根拠を提供しているのが、もっぱら広義のニュー・ケインジアン経済学であるという事情を反映している。 MMT派はまた、新古典派的総合の系譜にある新旧のケインジアンを亜流ケインジアン(Bastard Keynesian)と呼び、彼らと対峙し続けてきたジョーン・ロビンソンやハイマン・ミンスキー

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    okemos 2019/08/21
  • コーチやベルサーチなど謝罪 Tシャツデザインが主権侵害と中国ネットで炎上

    伊ベルサーチや米コーチ、仏ジバンシィなどの高級ファッションブランドは、商品に中国の主権を侵害するデザインがあったとして、相次いで謝罪を表明した。 ニューヨークで2013年5月撮影(2019年 ロイター/ERIC THAYER) 伊ベルサーチや米コーチ、仏ジバンシィなどの高級ファッションブランドは、商品に中国の主権を侵害するデザインがあったとして、相次いで謝罪を表明した。 ベルサーチは11日、香港やマカオを国のように扱ったデザインのTシャツを販売したことは過ちだったと謝罪。Tシャツには「ニューヨーク―米国」、「北京―中国」のように、都市名と国名を並べて表記。そこに「香港―香港」、「マカオ―マカオ」と両都市名が国名としても書かれており、中国インターネット交流サイト(SNS)上で批判が広がっていた。 ベルサーチは中国版ツイッター「微博」に投稿した声明で「われわれは中国を心から愛し、断固として中国

    コーチやベルサーチなど謝罪 Tシャツデザインが主権侵害と中国ネットで炎上
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    okemos 2019/08/13
    中国国内でやったのかと思ったら、中国国外での事か。一昔前、国の力が弱まり、企業が世界を支配するみたいな考えがあったけど、あれも言ってしまえば新自由主義的妄想だったな感になってしまってるな。
  • 母の遺体は陸軍に売られ、爆破実験に使われた

    Mother's Body Blown Up in Military's 'Blast Testing' Experiment <営利目的で遺体を切り売りしていた会社には、恐ろしい光景が広がっていた> 今から5年前、人体の切り売りで利益を上げていたアリゾナ州の献体センターが摘発された。米連邦捜査局(FBI)が捜査に入ると、男性の体に女性の頭が縫い付けられた「フランケンシュタイン」さながらの遺体も発見された。 アリゾナ州マイコパ郡の「バイオロジカル・リソース・センター(BRC)」に74歳で死去した母親の遺体を預けたとき、ジム・スタウファーはただ、人の命を救う役に立つことを願っていた。 2013年に献体した後、母親のドリス・スタウファーがどんな運命を辿ったかを知ったのは、2016年にロイター通信がBRCの実態を暴いたときだった。母親の遺体は陸軍に売却され、爆弾による損傷実験に使われたのだ。 <

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    okemos 2019/08/02
  • インド経済成長率7%は「水増し」との衝撃暴露

    モディ政権は年率7%の高度成長を誇示しているが、実態は不透明だ DANISH SIDDIQUIーREUTERS <政府の元経済顧問が独自の調査報告書を発表──現実のインド経済はどん底の状態にある> 14年には米誌フォーブスが、そして15年にはIMFが、経済成長率でインドは中国を上回るとの予測を出した。当時、インドのGDPの伸びは年率7%を超えていたからだ。 しかし16年の高額紙幣廃止と翌年の拙速な物品・サービス税(GST)導入がインド経済にブレーキをかけた。国内の中小企業は今も、このダブルパンチの後遺症に苦しんでいる。 今のインド経済は苦しい。失業率は過去40年で最悪の6.1%に達し、農業部門も危機的な状況にある。それでも政府は今も年率7%の成長を維持していると主張する。だが、これには大きな疑問符が付く。 かつてインド政府の首席経済顧問を務めた米ハーバード大学のアルビンド・スブラマニアン客

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    okemos 2019/07/26
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割

    <現在、世界および日の経済論壇において、賛成論と反対論の侃々諤々の議論が展開されているMMT。その内実を検討する......> 消費増税を含めた財政をめぐる論議が続く中で、MMT(現代貨幣理論)に注目が集まっている。7月中旬には、その主唱者の一人であるステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学教授)が来日し、講演や討論を行い、昨今のMMTブームを反映するかのように大きな盛り上がりを見せた。その模様は一般のマスメディアでも幅広く報じられた。 MMTの生みの親であるウオーレン・モズラーのSoft Currency Economics II序文によれば、その最初の契機は、国債トレーダーを経て証券会社の創業者となったモズラーが、1990年代初頭に当時「財政危機」が喧伝されていたイタリア国債の売買を行った時に得た一つの「発見」にあった。その把握が、それ以前からポスト・ケインジアンの一部に存在して

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    okemos 2019/07/24
  • 核合意「違反」論争でイランの言い分が正しい理由

    イランの最高指導者ハメネイ師はトランプに一歩も譲らない姿勢を示している(テヘラン、2017年) NAANIN TABATABAEE YAZDIーTAMAーREUTERS <合意から勝手に離脱した米トランプ政権がイランの「違反」を非難する矛盾と危険> ドナルド・トランプ米大統領の外交政策が破綻している兆候は、多くの領域で見ることができる。イランとの核合意をめぐる論争も例外ではない。この問題でとりわけトランプ政権がぶざまなのは、政治的にも、外交的にも、法的にも、イランの主張のほうが正しいことだ。 現在問題となっているのは、イランが7月に入り、核合意が定める濃縮ウラン貯蔵量の上限と、ウランの濃縮レベルの上限という2つの条件に違反したことだ。これを受けトランプ政権は、イランが再び核兵器開発に乗り出したと主張している。その大筋は間違っていない。だが、いくつか留意すべき点がある。 第1に、そして最も明

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    okemos 2019/07/19
  • なぜ、日本は<異端>の大学教授を数多く生み出したのか

    <博士号や教育・研究業績がなくても、大学教授になれるのが日特有の現状である。官僚・メディア・企業出身・作家・評論家等の「社会人教授」がなんと多いことか。日の大学はいずこへゆくのだろうか> 不可思議な日的大学教授の採用慣行 ある日の一流大学の教授が米国の大学と研究交流協定を締結した際に、その大学の教授と名刺交換をして冷や汗をかいたという話を聞いたことがある。 その教授は日の最高峰の大学を卒業し、そのまま大学助手となり、助手の任期満了後、別の一流国立大学の助教授となり、政治学の分野では著名な研究者になっていた。 にもかかわらず、彼が冷や汗をかいたのは、彼の名刺の肩書には「博士号」(Phd.)がなく、米国の大学教授が驚いたことであった。大学の学部卒業だけの学歴で、よくも一流大学の教授になれたものだと......。 欧米の大学では、博士号なしには大学教授どころか、大学教員にすらなれない。

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    okemos 2019/06/29
  • 加齢による記憶力低下が、電気刺激で20代並みに回復した:米研究

    <ボストン大学の脳科学者らが、高齢者の脳に電気的な刺激を頭皮を通じて送ると20代と同程度に記憶力が回復するという研究成果を発表した> 自然に記憶力が低下する60〜70代の被験者に対し、電気的な刺激を頭皮を通じて脳に送ると、20代の被験者と同程度に記憶力が回復した──。そんな研究成果を、米ボストン大学の脳科学者らが発表した。 20代後半か30代前半から作業記憶の低下が始める ボストン大学のロバート・ラインハート助教授とジョン・グエン氏がまとめた論文が、神経科学系の英学術誌『ネイチャー・ニューロサイエンス』に掲載され、英メディア『ザ・ガーディアン』などが報じた。 ラインハート助教授の説明によると、今回の研究で対象にしたのは「作業記憶(working memory)」を司る脳の領域。作業記憶とは、買い物のリストを暗記したり、鍵を置いた場所を覚えているといった、日常生活の中でごく短期間保たれる記憶

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    okemos 2019/04/12
  • インドの巧妙なキリスト教弾圧

    <モディ政権成立後、キリスト教徒への暴力が急増――ヒンドゥー至上主義者の「合法的」攻撃手法とは> 1年前の2018年2月18日、インド南部のタミルナド州でのことだ。プーガル牧師の自宅兼教会で開かれる日曜礼拝には80人ほどの信者が集まっていた。男たちは襟付きの白シャツとズボン。女たちは花柄のサリーを身にまとい、ジャスミンの花を髪に挿し、ぐずる子供を膝に乗せていた。 家の周囲にはインド南部で活発に活動する過激派「ヒンドゥー戦線」のメンバーが100人以上も集まり、サフラン色の旗を振りながら大声で叫んでいた。「インドはヒンドゥー教徒だけのものだ!」 タミル語の祈りもデモ隊の怒声にかき消されるほど。そしてついに15~20人ほどが金属製の扉を押し開けて乱入し、説教中の牧師に詰め寄った。中には10代の若者の姿もあった。 押し入った人々は警官のように強圧的な口調でプーガルに、自治体発行の許可証を見せろと命

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    okemos 2019/04/11
  • ロシア疑惑報道はフェイクにあらず

    ロシア疑惑の捜査報告書の概要が公表されて、トランプは潔白を主張した Jonathan Ernst-REUTERS <メディアは「黒」と決め付けたと批判されるが、捜査報告書は正確な報道だったと証明している> 16年の米大統領選でロシアがドナルド・トランプ現大統領の陣営に肩入れしたという「ロシア疑惑」をめぐり、ロバート・ムラー特別検察官は3月22日、捜査報告書を提出。24日にはウィリアム・バー司法長官が、それを4ページに要約したものを公表した。 予想どおりと言うべきか、米報道界では責任のなすり合いが始まっている。メディア企業に属するジャーナリストもフリーランスも、この問題について何が正しい理解なのか分からないまま、非難合戦を始めている。 その中で特に注目を集めている2つの激しい争いがある。 1つは、報道機関と共和党を支持する有識者の争い。リベラル寄りの各メディアは、早い段階からロシア疑惑の捜査

    ロシア疑惑報道はフェイクにあらず
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    okemos 2019/04/07