『アンクル・トムの小屋』という小説があります。(まぁ、そればっかりでもないみたいですが)黒人奴隷の人生の一幕と殺されるまでを活写して、結果的に奴隷解放の流れを大いに盛り立てたとされる作品です。その一方で現在ですが、この主人公であるアンクル・トムの名は「白人に媚を売る黒人」という意味合いでも用いられます。作品の解釈には色々と意見があるにせよ、アンクル・トム自身が奴隷制に反旗を翻すことはなかったわけですから。 ここでスポットを当てたいのは作品そのものではなく、作品がいかに受容されてきたかです。『アンクル・トムの小屋』を読んで、そこに描かれた黒人奴隷の境遇に同情して、結果として奴隷解放を支持するに至った人もいれば、一方で奴隷制に対してあくまで従順なアンクル・トムへの苛立ちを感じる人もいます。黒人奴隷が自ら奴隷制を容認してどうする、と。アンクル・トムの死語、別の人物(白人)が奴隷解放のために立ち上