――旧人類たる我々が滅びる記念に寄せて。 西暦2222年2月22日、アッシュ・ファーレンハイト著「頭蓋骨のねじれ」の分類による所の我々旧人類は、本日この時をもって滅びることが決定した。 尤も、これを読まれている諸氏にとっては野生の旧人類――俗に言う“角なし人”あるいは、哺乳綱霊長目ヒト科ヒト亜科ヒト族ヒト属――を目撃することはここ数十年なかったことであろう。 かろうじて、各地の動物園で保護されていた(・ ・)のを観たことがある程度ではないだろうか。 実際、私も――後述の通り、これは当然のことであるが――旧人類を見たことがない。 以下では何故、旧人類が滅びたのか考察していきたいと思う。 以後、記述の便宜上から、生物学上の哺乳綱霊長目ヒト科ヒト亜科ヒト族ツノビト属を“新人類”と呼称することにする。 この呼称に何らの思想上の主張および諸氏らへの差別の意図はないことをご留意されたい。 また、本記述