「人権」と外交の難しさ次に国際レベルですが、久しく使われていない「戦略的パートナー」という言葉に象徴されるように、「相手を信用はしないが、事を構えないことが双方の利益になる」という相互理解が、日中関係の基本でした。経済的な観点からすれば、日本政府には中国との緊張緩和は避けられず、先ほど述べたような人的交流でその糸口を探ってきたとみるべきでしょう。同じことは、中国政府にも言えます。日本との緊張緩和を図ること自体、中国政府からすれば、(それは中国政府自身が生み出してきた部分もある)国内の反日的世論を抑えたものです。ただし、その一方で、中国政府が国内向けの「面子」に突き動かされ、日本に威圧的な態度をとっているとみることに、大きな無理はありません。 ところが、一方で緊張緩和を模索しながら、他方で緊張を高めてきたという意味で、日本政府は中国政府とほぼ同じです。安倍総理は1月18日、インドネシアで、自