人工知能(AI)を使って魚を種類ごとに仕分けるシステムを、長崎県、佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)電子制御工学科5年の志久寛太さん(20)が開発した。水産業界が抱える高齢化や人手不足といった課題の解決につながると期待が高まっている。 地域産業が直面する課題を技術力で克服できないかと、県県北振興局が佐世保高専に相談。志久さんは佐世保魚市場(相浦町)の協力を得て、卒業研究として昨年9月から取り組んだ。 県内の基幹漁業、巻き網漁業は、アジやサバ、イワシなどさまざまな魚が交ざった状態で水揚げされるのが特徴。佐世保魚市場は1日平均で約130トンを扱う。機械で大きさごとに振り分けた後、約15人の従業員が手作業で魚種別に仕分けている。 朝は早く、冬は厳しい寒さの中での立ち作業。「マサバ」と「ゴマサバ」といった似ている魚の見分けが必要で、熟練さが求められる。高齢化は進んでいるが、新たな人材の確保は難し