古書組合に入ろうと決めたもう一つの大きな理由は情報が欲しいということだった。古本屋を含む古物商は、仕入値も売値も自分で自由に判断できるという特殊な商売だが、それなりの相場、顧客が納得する売買の目安というものは考えなければならない。私の場合、店の営業は割に順調に伸びていたから、組合に入っていなくとも自店の売買価格が間違ったものではないだろうとは思っていた。私たちのグループとほぼ同時期に、北海道や東海、中国地方でも、新刊に近い本を新刊価格の一〜二割で買い、五割で売るという、後のブックオフの先行形態のような非組合員の古本屋グループの営業が始まっていたが、みんな同じような売値、買値の設定だったようだ。好きなジャンル、得意なジャンルなどに多少のメリハリをつけた値付をするところがブックオフ的な完全マニュアル型とは違うところで、本という商品に対する愛好度やある程度の知識を前提として商売をしているという自