怖い話と幽霊に関するonboumaruのブックマーク (5)

  • 落語の怖い話より 「怪談乳房榎(二)四谷十二社滝の亡霊」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    「なに、誰も聞いてなどおらぬ。お前のお陰で邪魔者を消して、首尾よく跡を継ぐことが出来た」 「わ、わしはただ――」 「いいのだ。そのことを蒸し返そうと言うのではない。実は、おきせがとうとう我が胤を宿してな」 「ご新造が」 「そうだ。そこで、お前に折り入って頼みがある」 「な、なんだね」 身を乗り出してくる浪江の顔を、正介は息を呑んで見返した。 「どうも真与太郎の目つきが気にわない。あの目はいつか俺を親の仇だなどとつけ狙う目だ」 「ば、馬鹿を言っちゃあいけねえ。二つやそこらの乳飲み子に、目つきも何もありましねえ」 「お前、あれを殺せるだろう」 途端に正介の胸がドッと高鳴った。 「お、お前様。いけましねえ。いけましねえ。あんな頑是ない坊ちゃまを――」 「なんだ。嫌なのか。ははあ、なるほど。お前、去年の落合の件では余儀なく加担したが、心ではまだ元の主人への忠義があるものと見える。さては、いつか俺

    落語の怖い話より 「怪談乳房榎(二)四谷十二社滝の亡霊」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2017/11/12
    三遊亭圓朝作の怪談噺「怪談乳房榎」より。完結編。
  • 落語の怖い話より 「怪談乳房榎(一)落合の蛍狩り」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 馬場で知られます高田の砂利場村に。 大鏡山南蔵院なる寺院がございまして。 これはその天井に墨絵で雌龍雄龍(めりゅうおりゅう)を描いたという、 絵師菱川重信の話でございます。 重信は年三十七、元は秋元越中守の御家中で。 名を間与島伊惣次(まよじま いそうじ)ト申す武士でございましたが。 生来、絵が好きなものですから、じきに堅苦しい勤めが嫌になる。 みずから暇を申し出まして、柳島の新宅に引き籠もりますト。 爾後、絵ばかり描いて暮らすようになったト申します。 は年二十四、名をおきせト申しまして。 これが大変な美人でございます。 役者の瀬川路考演ずる美女に似ているト。 誰言うとなく「柳島路考」ト呼ばれるほどで。 さて、この重信に、ある時お弟子が一人できました。 名を磯貝浪江(いそがい なみえ)ト申す、年の頃二十八、九の浪人で。 鼻筋が通って色は浅黒く、苦みばしった佳い男で

    落語の怖い話より 「怪談乳房榎(一)落合の蛍狩り」 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2017/11/11
    三遊亭圓朝作の怪談噺「怪談乳房榎」より。前半部分。
  • 死霊解脱 累ヶ淵(一)因果の絹川 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 有名な累ヶ淵(かさねがふち)のお話でございます。 下総国岡田郡羽生村の、絹川のほとりの集落に。 与右衛門ト申す百姓が住んでおりました。 この与右衛門には娘が一人おりまして。 名を累(るい)ト申しましたが。 実名で呼ぶ者は誰もいない。 村人たちはもっぱら、「かさね」ト呼んでいる。 どうして、かさねト呼ばれるのか。 そのわけはおいおいご説明いたしますが。 「るい」が「かさね」ト呼ばれるそのわけに。 このお話の恐ろしさが秘められているト申せます。 さて、この累(かさね)には難点がございまして。 それは、性根が捻じ曲がっていることでございます。 村人たちはみな、この女を嫌っている。 どうして、そんなに心が醜いのかト申しますト。 そもそも、器量が醜いからで。 顔が捻じ曲がっているのだから、致し方がない。 ト、人々はそう考えている。 実の父親の与右衛門も、我が娘ながら累が憎くて

    死霊解脱 累ヶ淵(一)因果の絹川 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2016/11/01
    仮名草子「死霊解脱物語聞書」より。
  • お岩出生譚 重助殺し | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 江戸麹町に中田屋ト申す店がございまして。 そこに、伝蔵ト申す篤実者の奉公人がございました。 真面目な男ですので、主人も非常に目にかけて、かわいがっておりましたが。 篤実者だからト、色気がないかト申せば、そんなことはございません。 いつしか、主人の娘、おみつと深い仲になってしまった。 しかも間の悪いことには、おみつがやがて伝蔵の胤を宿してしまいまして。 追い詰められた二人は、以前奉公していた吉兵衛という男を頼っていく。 吉兵衛から見れば無分別な二人ではございますが。 そこは旧主の娘御とその情人でございますから。 二人の代わりに、中田屋の主人に詫びを入れに行ってやりました。 ところが、父親は事態のゆゆしきことを知って、すでに激怒している。 「七度転生しようと、もう親子ではない。二度と帰参は許さぬ」 ト、まるで取り付く島もない。 ところが、母親の方は、これはやはり大事な娘

    お岩出生譚 重助殺し | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2016/08/08
    講談「重助殺し」より
  • 大歳の火 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 ある山深い村に若い夫婦がおりまして。 夫の母親と三人で、同じ屋根の下に暮らしておりました。 ある冬のこと。 大歳(おおどし)、つまり大晦日の晩のことでございます。 外はしんしんと雪が降っている。 三人はこの年最後の事を終えて、囲炉裏にあたっておりました。 嫁は何だかそわそわとする。 自分でもよく分かりませんが、今日に限って心が落ち着きません。 ちらりと姑の方を見る。 いつにもまして、険しい表情で囲炉裏の火を見つめておりました。 囲炉裏の火越しに見えたその姿が。 炎に包まれたようにゆらゆらと揺れている。 嫁はふっと魅入られたような心持ちになった。 「これからは、お前が火種を守らなければならねえ」 姑が炎を見つめたまま、嫁に言いました。 嫁はどきっとして、夫の方に思わず目をやる。 夫は、安心させようと、深く頷いてくれました。 ト、二人の視線を遮るように、姑が冷たく言い

    大歳の火 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
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    onboumaru 2016/08/05
    長野ほかの民話より
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