2017年1月14日のブックマーク (1件)

  • 食い込む爪 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 清国の話でございます。 四人の若者が連れ立って旅をしておりました。 陽信県の外れ、街道沿いの村で日が暮れまして。 その晩の宿を探しますト、小さな旅店が一軒見つかった。 宿の主人は人の良さそうな老人でございます。 息子と二人で切り盛りしているという。 四人はこの宿ならト安心いたしまして。 さっそく草鞋ならぬ沓を脱ごうといたしましたが。 「お若い方々、今日は満室でございます。他を当たってくだされ」 老人も弱った顔をしていたが、若者たちも大いに弱った。 「他を当たってくれって言われたって。こんな町外れで他に宿なんてありゃしない」 「一晩寝かせてもらえればいいんです。物置でもなんでも文句は言わない」 「今、外に放り出されたら、我々はきっと追い剥ぎに遭いますよ」 「人助けと思ってなんとかしてください」 若者たちの懇願に、老人はふと何かを思いついた様子でございましたが。 「いや

    食い込む爪 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2017/01/14
    「聊斎志異」より