2019年12月23日のブックマーク (1件)

  • 我が背子、夢を覗かれよかし | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 播州は室津、室の泊まりト申しますト。 古くヨリ栄えた湊町でございまして。 また、我が朝の遊女の始まりの地トモ申します。 平安の昔、木曾義仲の愛妾、山吹御前が。 義仲亡き後、この室津の町へ流れ着くや。 友君ト名乗り、評判の「うかれめ」トなったトいう。 これが室津の遊女の起こりでございまして。 以来、この地第一の遊女を「室君」トカ申します。 さて、時代は下り、戦国の世。 周防の大名、大内義隆のその家中に。 浜田与兵衛ト申す剛の者がございましたが。 ある時、この室津の町に立ち寄りますト。 少し変わった女ト巡りあった。 名を但馬(たじま)ト申しまして。 年の頃は十六、七。 滑り落ちそうな撫で肩に。 触れれば折れそうな柳腰。 実に頼りのない女でございますが。 顔貌(かおかたち)はいと麗しく。 琴を奏でれば妙なる調べ。 舞えば天女のたおやかさ。 歌を詠めば小町もかくやの才覚で。

    我が背子、夢を覗かれよかし | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2019/12/23
    浅井了意「伽婢子」より