中国の経済成長率がついに8%を割り込んだ。8%を割り込むと失業者が増え、社会不安が深刻化しかねない。このため政府はこれまで、なんとか8%の大台を維持しようと必死になってきた。2008年秋のリーマン・ショック時には、4兆元(現レートで約50兆円)の大規模財政支出や超金融緩和策などで8%の大台を確保できた。しかし無理がたたって経済がバブル化し、いまや不良債権の処理など後遺症に悩まされている。今回の欧州経済危機では、もはや打つ手はほとんど残されていなかったといえよう。(フジサンケイビジネスアイ) 中国国家統計局は先週末、12年4~6月期の国内総生産(GDP)が実質で前年同期に比べ7.6%増にとどまったと発表した。世界経済全体からみればなお高水準である。また今年の成長目標である7.5%もわずかながら上回っている。しかし8%を下回るのはリーマン・ショック直後以来、ほぼ3年ぶりなだけに、中国政府もショ