宮崎駿さんと高畑勲さんの関係は、私たちには推し量れない友情のような、師弟関係のような、そしてライバルでもあるような、特別な間柄のようです。今となってはスタジオジブリ第一作目とみなされている『風の谷のナウシカ』の頃、宮崎さんが号泣したことがあったそうです。 以下、書籍『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ』に収録されている鈴木プロデューサーによる語り下ろしより抜粋です。 さて、(ナウシカを)作るにあたって宮崎駿が出した条件はただ一つでした。「高畑さんをプロデューサーにしてほしい。高畑さんがやってくれれば、ちゃんとやれる気がする」。それで僕が高畑さんのところに行くんですが、簡単には首を縦に振ってくれなかった。それどころか一ヶ月毎日通っても返事をくれない。その間、高畑勲が何をやっていたかというと、大学ノート一冊分に「プロデューサーとは何か」という研究結果をびっしりまとめていて、最後に「だから僕はプ