物言う空売り投資家の米グラウカス・リサーチ・グループが27日、伊藤忠商事についてリポートを取引開始前に発表した。同社の会計手法を批判し、株価急落の見通しを示した。 グラウカスは40ページを超えるリポートで、伊藤忠の投資判断を「強い売り推奨」で開始。株価は最大50%下落するとして目標株価を631円とした。同社株は一時、前日比10%安の1135.5円まで下落。終値は同6.3%安の1182.5円。日経平均株価の構成銘柄で最も下げた。伊藤忠は「適切な会計処理を実施しており、当社の見解とは全く異なる」とのコメントを発表した。 同リポートでグラウカスは、伊藤忠に空売りポジションを保有していると説明している。グラウカスが日本で標的とする銘柄は伊藤忠が初めて。調査ディレクターのソーレン・アンダール氏は6月のインタビューで、日本市場への参入に役立つよう日本人アナリストを雇ったと話していた。