安倍政権の下で日本経済がデフレ基調からマイルドインフレ(消費者物価指数で前年比1―2%)に転換できた場合、株価がどこまで回復するか簡単な試算をしてみよう。 前回(here)述べたとおり、マイルドインフレに転換した場合、長期国債利回りの上昇(価格の下落)は不可避であるが、それは経済にとっても投資家にとっても必ずしも悪いことではない。ポートフォリオの比率を債券から株式や不動産にシフトした投資家にとっては投資リターンの向上が期待できるからだ。逆に2012年までに株式から国債にシフトしてしまった投資家や、もともと国債に傾斜し過ぎている機関投資家にとってはマイルドインフレへの転換は災いになるだろう。 結論を先に言うと、今年の世界経済が再び景気後退に逆戻りするようなことがない限り、日本株の上昇余地は大きい。目先1―2年では東証株価指数(TOPIX)で1100(1月11日終値898)、日経平均で1万30