(7)チャージと臨検 ここでチャージ問題に触れます。ごく一部の不心得者が料金を着服することです。ラッシュ時に、現金で受け取った分の切符を破らないで、そのお金をどこかに隠して持ちかえってしまうのです。日給の2倍3倍の金額(500円程度)を盗む者がいては、会社も放置できません。 そこで抜き打ちに臨検をしました。車庫の前を通るローカル線の場合は、停留所に代わりの車掌が待っていて、「臨検です」と言って突然交替します。降りた車掌はそのまま事務所に入って、かばんを会計係に渡し、まっすぐ畳の更衣室に入ります。トイレに行くことは許されません。 部屋の中には「ケンサツ員」の怖いおばさんが二人と、立ち合いの先輩がいます。私たちは、下着姿になって、パンツのヘリも探られます。これはもう我慢の限界。きれいな肌着なんて買えないから、繕いだらけの下着を見られるのも辛いし、第一、真っ正直に働いているのに、盗人扱いされるこ
米国ニュージャージー州の地元紙『スターレッジャー』(約二三万部)の一一月四日付に、従軍「慰安婦」に関する意見広告が掲載された。作曲家のすぎやまこういち氏やジャーナリストの櫻井よしこ氏らで構成する歴史事実委員会が呼びかけ、自民党の安倍晋三総裁や民主党の松原仁元拉致問題担当相など三九人の国会議員も賛同者として名を連ねた。 彼らの主張はおおよそ、「(日本敗戦前のアジア諸地域で)女性たちが日本軍によって意に反して『慰安婦』にさせられた、という史料はない」「逆に、そのようなことをしないよう斡旋業者らに注意を促した多くの文書がある」「彼女たちは性奴隷ではなく、商行為をしていた」といった内容だ。 なぜニュージャージー州での広告なのか。約二年前、韓国系米国人が多く居住する同州パリセイズパーク市の公立図書館に、旧日本軍に性奴隷にされた女性たちの記念碑が建立された。それに対し、今回の広告掲載を主導した人
鈴木大介×荻上チキ対談「絶望を減らす作業をしよう――」Vol.1 2010年頃から、出会い系サイトや出会い喫茶を通じ、荻上チキ氏はワリキリ(売春)をする女性100人以上にインタビュー調査を行った。そこで集められた膨大なデータと証言が一冊の本にまとめられた。そのタイトルは、『彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力』(扶桑社)。 DV、精神疾患、家庭環境、雇用不足、男女格差、借金など、社会から斥けられた“彼女”たちが、「今よりマシになるため」に、あるいは自身の「居場所」を求め、出会い系に引き寄せられていく。そこには、現代の売春問題の確かな一構造が浮かび上がる。 偶然にも、この本の発売と期を同じくして、ルポライターの鈴木大介氏が『援デリの少女たち』(宝島社)を上梓。こちらは、6年半にわたり、売春組織「援デリ」を密着取材。「援デリ」という“ビジネスモデル”の時代(法規制)に応じ
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