→紀伊國屋書店で購入 「「日本」という国名はいつできたのか?」 「日本」という国の名前が決まったのはいつか? 一体どれだけの人がこの基本的な質問に対して正確に答えられるだろうか。網野善彦の体験によると、大学生の解答は「紀元前一世紀から始まって十九世紀まで、満遍なく散らばって」いたそうだ。国家公務員の研修でも結果は似たようなもので、ほとんどの人が知らなかったということだ。アメリカ人や中国人に同様の質問をした時は、1776年や1945年という答えがすぐに返ってきている。 この事実だけで、日本人は愛国精神が足りないなどと判断するのは短絡であろう。しかし、「愛国」を振りかざして国民を「亡国」へと導いていく政治家達の、一体何名がこの重要な質問に答えられるだろうか。網野の『歴史を考えるヒント』によると「現在の大方の学者の認めるところでは、浄御原令という法令が施行された六八九年とされている」とのことだ。