(2011年3月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米ワシントンのうらぶれた地区にある福祉事務所の前。ジェイミー・クレミーンズさん(31歳)はボーイフレンドと並んで座り、タバコをふかしている。自分たちの暮らしを支えてくれる手当の受け取りを待っているのだ。 視力障害のあるボーイフレンドは何年も前から障害者手当をもらっているが、クレミーンズさんにとっては初めての体験だ。彼女は金融危機で打撃を被った大勢の米国人と同じく、人生初のフードスタンプ(食料配給券)を受け取ろうとしている。 急増して過去最高となったフードスタンプ受給者 フードスタンプは現在、最近、栄養補助支援計画(SNAP)と名称が変更された数百億ドル規模の給付制度の一環として配布されている。 南カリフォルニアで暮らしていたクレミーンズさんたちは、米国の多くの中産階級の人々と同様に先の景気後退で職を失い、仕事を求めてワシントンにやって