列聖の漫画家、荒木飛呂彦によるホラー映画短評集。 定説から独説に至るまでの見解と、メジャー作品からマイナー作品に至るまでの紹介が平易に解りやすく、しかし荒木節を崩さずにつらつらと綴られており、ジャンル映画愛好家、そして荒木飛呂彦の全作品ファンとしては非常に面白く読めた。 だいたいに於いて、ヒョーロン、ヒヒョー、ゲンセツなどで口に糊しておる人種というものを、パッと見、パッと聞いてみれば一見筋の通った、理屈、理論で押し切るような、何となく偉くて凄いことを言っておるように感じてしまいがちなものであるが、その実、はは、乃公が如き類人猿には何を喋っておるのかさっぱり訳が分からぬ場合があり、さてどうすれば類人猿にご立派なヒョーロン、ヒヒョー、ゲンセツをぶつことができるのか、という問題が生じてくるものだが、はは、これは簡単なことで、猿には猿の言葉で喋ってやればよく、「何をのたまうか、こちらは人間