これは昨年、私が関東地方のある公立中学校に講演に行った際、生徒の母親から相談された事例だ。「息子は今日も学校に行かないんです……」と、彼女は深刻そうな顔で言った。彼女から成績の下降を強く叱責されたことがきっかけで、息子の山崎佳祐くん(仮名)はその講演会の1年ほど前から自室にこもって昼夜問わずネットゲームに入り浸るようになった。ゲームをやめさせようと彼女は彼のパソコンを取り上げたこともあったが、怒鳴ったり、物を投げたり、たたいたりするようになって逆効果だった。 ネットゲームに依存するまではかなり良い成績だっただけに、それでも彼女は連日、佳祐くんを責め立てた。しかしその度に、大げんかになり、次第に彼は学校を欠席しがちに。2年生に進学してからは、とうとう1日も学校に行かなくなってしまったという。 「ネット依存」は世界的に深刻な問題 「出席日数が足りないから卒業できないと思っているみたいで。息子は