発表のポイント 福島第一原子力発電所事故による初期被ばくの解明には、放射性物質、特に放射性ヨウ素の拡散シミュレーションと、各地点における滞在人数、双方の把握が欠かせない。 これまで、福島第一原発事故時の住民の避難行動については、避難住民の聞き取りないしはアンケート調査が唯一の方法であった。 携帯電話の位置情報が事故時の人数分布推定に使えることに気づいた東京大学の早野龍五は、ゼンリンデータコムの協力を得て、20km避難区域内外の人の流れを可視化し、放射性ヨウ素の影響が最も多かったと思われる時期の福島第一原発周辺地域の人数分布を、客観的に推定した。 発表概要 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授 早野龍五は、携帯電話の位置情報が、福島第一原発事故時の原発周辺地域の人数分布の把握に使えることに着目し、ゼンリンデータコムの協力を得て、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)付き携帯電話の