台風による紀伊半島豪雨で、和歌山県特産の「温州(うんしゅう)みかん」が収穫を前にピンチに陥っている。洪水で冠水した農地ではミカンが腐る「褐色腐敗病」が蔓延(まんえん)し、ミカンを食い荒らすカメムシも今月に入り前年比で約8倍も発生。県はいずれも台風の風雨が原因とみており「再び台風が来れば被害が広がる」と危機感を強め、農家に消毒の徹底などを呼びかけている。 和歌山県では主に県中南部で温州みかんを中心としたかんきつ類を生産。主力の温州みかんの収穫量は平成16年以降は7年連続日本一で、昨年は15万2300トンを収穫した。 褐色腐敗病はかんきつ類に発生。小さな褐色の斑点が現れ、数日で実全体に広がって、最後は中身がスカスカになり木から落ちる。 この病気の原因は、土の中の病原菌。菌は水中を泳ぐ性質があり、通常は雨水の跳ね返りなどで伝染する。 今回の台風では県中央部で多くの農地が冠水。県農作物病害