兵庫県で起きた強制わいせつ未遂事件の裁判で、検察が通常は起訴状に記載する被害者の名前を書かず、裁判所も認めて、被告に有罪判決を言い渡していたことが分かりました。 被害者の2次被害を防ぐねらいの極めて異例の措置ですが、刑事裁判の専門家からは「匿名の記載が一般化すると被告の反論する権利を損ねるおそれがある」と懸念する声も出ています。 ことし3月、神戸地方検察庁明石支部は、兵庫県内で面識のない帰宅途中の女性を乱暴目的で襲おうとしたとして20代の男を強制わいせつ未遂の罪で起訴しました。 刑事裁判は、誰に対する行為で罪に問われているのか被告に明らかにして反論する権利を保障するため、通常は起訴状に被害者の名前が記載されます。 しかし、神戸地検明石支部は、女性が被告に個人情報を知られ二次被害を受けるのを恐れたことから、起訴状に記載する被害者の情報を「性別」と「年齢」だけにとどめました。 被告に被害者が特
◇「権利回復」の指摘も 未成年の姉妹に対する準強姦・強制わいせつ等事件で、富山地裁が妹(当時10歳11カ月)が幼く告訴能力がないとして、起訴された強制わいせつ事件2件のうち1件の起訴を無効とする公訴棄却判決を言い渡した。小学5年生は、自らが受けた性犯罪の被害を理解できないほど幼いのか。「悔しい」「許せない」といった訴えは司法に届かないのか。控訴審が始まる前にこの事件について振り返り、問題点がなかったか検証したい。【大森治幸】 ◆捜査のはじまり 昨年6月初旬。富山中央署に1本の電話がかかってきた。電話口の向こうにいたのはある学校の教師だった。「生徒が暴行を受け、施設で保護されている」。姉(当時15歳)が通っている学校からの情報提供だった。「当時は地獄だった」。姉妹がそう振り返る悪夢に捜査のメスが向けられた瞬間だった。 同署は6月30日、住所不定、無職、田中実被告(42)と、その交際相手の女(
母親の交際相手からわいせつ行為を受けたと訴えた女児(当時10歳11カ月)の告訴能力を、富山地裁(田中聖浩(きよひろ)裁判長)が「幼い」ことを理由に認めず、起訴そのものを無効とする公訴棄却の判決を下していたことが分かった。富山地検は「告訴能力は年齢で一律に決まらないのに、判決は実質的検討をしていない」として控訴している。強制わいせつ事件などの起訴について刑事訴訟法は、被害者らからの告訴が必要と定めているが、告訴できる年齢に規定はない。子供が性犯罪の被害に遭う事件が絶えないなかで、審理が注目される。【大森治幸】 判決は今年1月。地裁は、富山市の無職の男(42)に対し、交際相手の女(39)の長女(当時15歳)や次女(同10歳11カ月)にホテルでわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪など3事件で有罪とし、懲役13年を言い渡した。女に対しても、宿泊予約の手助けをしたとして同ほう助罪などで懲役4年
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